過去ログ - サキュバス「私の心をあげるから、だから…!」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/20(土) 21:19:10.68 ID:XAoETEBB0

夕闇に飲まれかける中、誰かの声が微かに漏れた。

それは恐い物見たさに集まった人々かもしれないし、あるいは私の幻聴かもしれなかった。

否、私は全身全霊の力を振り絞って声を出している。

目前に私と同様に磔にされた女を、私は助け出したかった。


だが叶わぬ。

私の両手両足を上質な木造の床に縫い付けている、この脇差しや槍が阻んでいる。

立たせてくれない、傍らに落ちて私を待つ刀まで辿り着かせてくれない。



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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/20(土) 21:34:41.00 ID:XAoETEBB0

この縫い付けられた腕さえ……片腕さえ動けば、私は彼女を救えるのに。

即座に他の腕と脚を切り落とし、彼女を囲む者達を地獄への引導を渡せるのに。

以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/20(土) 21:50:59.48 ID:XAoETEBB0

……虚ろな瞳は私を見つめている。

涙を流し切ったせいか、微かに腫れた瞼は動いていない。

以下略



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