過去ログ - 【咲安価】久「麻雀を?」京太郎「ええ、教えてください」 三局目
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112: ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2012/10/22(月) 18:04:13.89 ID:rn40zkgVo

 自分が彼女に魅せられたのは一体いつからだったろうか。

 時たま見せる、その笑顔だろうか。

 それとも、恥らったときに顔を背ける仕草だったか。

 あるいは、小動物の如く菓子を頬張るさまだったか。


「照さん……やっぱり、あなたは綺麗だ」


 呼びかけながら、頬を寄せる。

 返事はない。

 ……いや、違うのだ。先ほど挙げたのはどれも、確かに宮永照の魅力だった。

 だが、一番ではない。

 付き合ううちに見せてくれたその表情はどれも京太郎を魅惑してならないものであった。夢中になった。

 しかし、京太郎が彼女に魅了されたのは、そこではなかった。

 一番胸を打ったのは、その闘牌。

 華麗に、そして力強く牌を自摸するその様子に――思わず心を奪われたのだ。

 宮永照は美しい。あまりにも神々しかった。

 思えば初めてその戦いを目にした瞬間から、京太郎は彼女に狂ってしまっていた。


「あなたを、愛してます」


 その手に口づけをする。

 答えはない。だが構わない。

 神聖なるさまを作り出すその手にこそ、京太郎は恋をしていたのだ。

 あとはいらない。余計だった。

 彼女の手があれば、それでいい。

 この美しい右手があれば――――。




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