過去ログ - 【咲安価】久「麻雀を?」京太郎「ええ、教えてください」 三局目
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139: ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2012/10/22(月) 19:25:08.47 ID:rn40zkgVo

 視界が涙に歪んだ。痛みのせいだけでは、ないはずだ。

 何とか見上げて、睨みつけた須賀京太郎の顔も――歪んでいた。

 菫がこうして怒りを露わにすることも、彼にとっては想定の範囲内なのだろう。

 脂下がる京太郎。何がそんなに面白いのか。薄ら笑いを浮かべていた。

 普段のごとき、こちらの心まで暖かくするそれではない。

 爬虫類、あるいはどこか別の次元から来た生命体――そう思わせるほどに不気味に目を細めているのだ。

 浮かび上がる脂汗とは別に、体を寒気が襲った。


「ああ、そうしていると……すごく可愛いですよ、菫さん」

「気、安く……名前を、呼、ぶな……!」


 混乱していた。そして恐れも感じていた。

 それよりも、怒りが勝った。この行為の真意を確かめなくてはならない。そう思った。

 四肢に力を入れて、体を起こす。

 そこへ再び、訪れる右足。対処する間もなかった。


「あ……、くぅ……」

「うん、思ってた通りだ。可愛いなぁ……ずっとこうしたいと思ってたんっすよ」


 目尻を下げて、もう一撃。

 咄嗟に体を丸める。両手をまげて、腹部と顔を庇う。

 理解不能だった。彼がこうして暴力を振るってきていることも、自分がこうして、床の上を転がっていることも。

 痛みを沈めるように、小さな息を繰り返す。

 息を吸うたびに内臓が引きつけられるのだ。どうしても、細かく細い呼吸にしなくてはならない。


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