過去ログ - 【咲安価】久「麻雀を?」京太郎「ええ、教えてください」 三局目
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664: ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2012/10/28(日) 21:14:29.65 ID:OmUyyAIIo

 黙って時計を眺める。

 三十秒。

 男はまだ、喋ろうとはしなかった。

 無理もないかと息を吐く。

 というか当り前だろう。そもそも京太郎から、質問すらしていないのだ。

 何も聞いていないのに答えられるはずがないのは道理である。

 それに、猿轡を噛ませられて話ができるわけがない。

 だが、外すのは馬鹿げていた。目線が告げているのだ。彼の目には憤りがあるし、戸惑いがある。

 何故自分がこんな不当な扱いを受けているか分からない。京太郎のことを殺してやる。

 そうとでも言いたげな目線だ。

 この手の状態の人間は話そうとしない。そんな気がないのだ。経験から分かっている。

 薬缶を持ち上げて、反対の足にかけた。まだおそらくは人肌程度の温度にもなってはおるまい。


「……火傷には深度がT度、U度、V度とある。兆候はそれぞれ、皮膚が赤色化、水ぶくれができる、表皮が白色化して水ぶくれは起きない」


 念仏の如く呟くと男が顔を顰めた。

 内容が聞き取れないのか、それとも今までのことと合わせて、こちらを狂人と疑っているのかもしれない。

 だが構わない。そのまま、話を続ける。


「深度Tは表皮。深度Uとなると表皮から真皮。深度Vは真皮全体から皮下組織」


 さらに三十秒が経過した。

 もう一度持ち上げて、男の太腿めがけて薬缶を傾ける。

 そろそろ、人肌並の温度にはなっただろうか。


「深度Uの火傷が全身の20パーセントに達することで障害が。30パーセントに達することで、重大な身体への影響が起きる」 




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