過去ログ - 【咲安価】久「麻雀を?」京太郎「ええ、教えてください」 三局目
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842: ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2012/10/30(火) 21:22:01.60 ID:CyTC7iy8o

「寒い」

「あんた北の生まれって言ってたでしょーが」

「……寒いものは寒いんだから仕方ない」

「それより炬燵から出てくださいって。それじゃ意味無いっすから」

「…………」

「いや、そんな顔されても困りますって」


 背後から撃たれた兵士か、或いは駆け寄ったところを蹴り飛ばされた飼い犬か。

 そんなものを思わせる表情で停止する小瀬川白望。

 心なしかいつもより――変わらず半眼だが――目は大きく見開かれ、瞳孔も開いていた。

 溜め息を堪える。こういう人間だということは分かっていた。

 なんだかんだと出会ってから数年は立っているのだ。

 その間、彼女がどれほど物臭であるかを身を持って知る機会は十二分にあった。


「どうしても寒気が必要なんだから、我慢してくださいよ」

「……別に私は困らない」

「俺が困るんだって……。ゴキブリが出る台所で料理とかしたくないんですよ」

「……」

「じゃあ、俺がアシダカグモとか実家から持ってきてもいいんですか?」

「別に構わないから……。ダルい……寒い……」


 自分で言っておいてなんだが、京太郎が構う。

 料理を作っていたらクモがコンロや味噌汁にダイブ。それは正直勘弁してほしかった。

 虫が苦手というわけではない。長野は虫の宝庫である。

 虫を怖がっていては、こんな年齢になる前にショックで死んでいる。それほど虫が多い。

 ゴキブリが嫌な理由は何か。単純に食材が荒らされること。ついでに、ピロリ菌などの有毒な細菌を持ち込むことだ。

 加えて言うなら、寝ている間に人間の口の皮を剥いで食べるというエピソードを聞いて以来、

 なんとなく完全に苦手を通り越して、悍ましすぎる上に図々しく厚かましいので即座に抹殺。

 地球上から絶滅させてやる……というぐらいの意気込みに京太郎の中ではなっていた。

 それぐらい、ゴキブリが嫌いだ。否、正確に言うなら許せない。存在自体が。早く死ね。


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