過去ログ - 【咲安価】久「麻雀を?」京太郎「ええ、教えてください」 三局目
1- 20
853: ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2012/10/30(火) 22:12:44.61 ID:NkN6SwGfo

 掃除をすべて終わらせたのち、彼女はダルいと寝室に戻って行った。

 髪に汚れがついているからシャワーでも浴びた方がいいと口を酸っぱくして言ったものの、

 どうやら本当に疲れたようである。そのまま眠ってしまった。

 花の休日であるが、彼女にはそこら辺りは関係ないらしい。


(……というかそもそもあの人、何やってるんだ?)


 自分より二つ年上である。

 大学に通っている風ではなかった、さりとて働いているようにも見えない。

 京太郎が平日飯を作りに来た時も、ほとんどの場合は家に居るのだ。

 かといって夜どこかに出かけてい様子もなく、

 ならば実家からの仕送りで暮らしているのかと考えたが、それなら三食提供される実家で生活しているだろう。

 わざわざこちらの都心の方まで出てくる理由がないのだ。

 数年付き合ってこれである。そう考えると、彼女と自分の関係は思ったより淡泊なものである。


「はぁ」


 自然と息が漏れ出た。

 考えても仕方のない問題であり、踏み込むには時間が経ちすぎて今更感が漂う。

 こんな関係を続けられるのも今年いっぱいか、と肩を落とす。

 去年から就活を始めていた。今年で大学四年生。京太郎もそろそろ職を見つけねばならない。

 いざ就職したらしたで時間はなくなるだろうし、

 地方の銀行や信用金庫、或いは全国展開している商社に勤めたなら、こうしてここに来る機会は皆無となろう。

 そうなってから果たして自分と彼女は連絡をとるだろうか。

 そう問われれば自信はなくなる。長い人生の一時、飯を作り作られるだけの関係。そんな程度で片づけられそうである。

 かといって彼女と一緒に暮らすかと言われたら、そこまで親密なわけでもない。

 考えると、何とも中途半端で、悲しい関係である。


「……ま、沈んでてもしょうがないか。飯作ろう。飯」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/382.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice