過去ログ - 【咲安価】久「麻雀を?」京太郎「ええ、教えてください」 三局目
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991: ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2012/11/03(土) 03:24:17.68 ID:UUPXZhLjo

 受け身、とれるか。

 前回り――不可能。無様にわき腹から倒れる。かろうじて首と頭は守った。

 そこへ来る、蹴り。倒れて衝撃が逃がせない。腹に入った爪先。鉛の如く重くて液体の軽さの熱。もう一発、来た。

 頭を抱えて、身を縮込める。今度は、踏みつけ。一撃二撃と、繰り返される。

 ただ、頭は守った。体はいい。どうせ、間に合わない。

 心臓の鼓動は聞こえない。肺の痛みもない。だが、頭では脈打つ何かがうるさい。

 蹴り上げに、ガードが弾かれる。唾を飛ばす男の手には、ナイフが握られていた。

 咲を捕まえる男にも、同じ。なんだか、喚いている。

 もう、関係なかった。一人でも多く、殺す。大事なのは、そこだった。

 相手もこちらを殺すつもりだろう。それぐらい、怒り狂っている。最早、どこにも余地はない。どちらかが動けなくなるまで続く。

 そしてそれは、京太郎の方が先だ。おそらく……いや、確実に。

 なら、せめてもう一人。潰す。潰してやらねば、行き場がない。


 再び、頭を抱えた。

 襲いかかる、足。衝撃が来たのかも、分からない。ただ、視界が揺れた。他人事だ。

 それでもいい。

 こいつだけは何とか、殺す。否、壊してやるのだ。二度と笑えないように。

 後ろに振りかぶられた足。瞬間、飛びついた。

 瞬間のつもりだが、思った以上に遅い。首が撓んだ。

 しかし、掴んだ相手の足を。

 踏みつけが来る。耐えた。さらに一撃受けても、耐えた。そこへ再び。

 いや、再びなのか。何度目か分からない。耳鳴りも聞こえない。音も何もかもが、遠い。

 手の力を緩めた。抜け出さんと上げられる足。ここが、正念場だった。

 浮いた足首を握り――足の甲を、勢いよく押した。

 靭帯、伸びた筈だ。弾かれるように、男が跳ねた。そして、片足を地面につけまいと、不格好な姿勢を取る。

 


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