過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」睦月「その12」【鶴賀】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」睦月「その12」【鶴賀】

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28: ◆tXdh2WZ0lM[saga]
2012/10/22(月) 00:46:05.26 ID:y2BEJ1qN0
モモのお母さんに挨拶をして、俺は東横家を出た。

……何故か、モモと一緒に。

京太郎「……別に、玄関まで出よかったのに」

桃子「ちょっと散歩したい気分だったっす」

京太郎「ふーん……」

桃子「んーっ、心地いい寒さっすねぇ……」

京太郎「密閉された部屋でずっとゲームしてたからなぁ……」

京太郎「くぁ……ああ、体中がポキポキなってるよ……」

桃子「っすねー」

京太郎「んっ……」

しかし、モモの言う通り、心地のいい風だった。

大きく腕を伸ばして、その空気を全身に浴びる。

京太郎「……どこまでついてくる気？」

桃子「それじゃ、あそこの分かれ道までにするっす」

京太郎「随分と遠いな、お母さんがご飯作って待ってるんじゃないのか？」

桃子「あー……それもそうっすね」

桃子「……ま、いいっすよ」

桃子「今は、もうちょっと京ちゃんと一緒にいたいっす」

京太郎「……そうか」

桃子「そうっす」

京太郎「それじゃ仕方ないな」

桃子「仕方ないっす」

はは、と笑いあった。

そして、それもすぐ止まる。

……静かな夜の道を、俺とモモが二人きり。

なんとなく、月がいつもよりも明るく、暖かい気がした。

京太郎「……」

桃子「……」

京太郎「……なあ、モモ」

桃子「なんすか？」

京太郎「……」

勧誘しようと思って。

彼女の悩みを思い出して。

京太郎「……や、なんでもない」

俺は何もいえなかった、

桃子「なんっすか、もう、変な京ちゃん」

彼女は笑って俺を茶化し、俺もそれに笑顔で返す。

……ここから先、俺ができることは無いのだろうか、とふと思った、

桃子「そういえば、京ちゃん知ってるっすか？」

その考えも彼女の取り出すその話題で消え去ったが。

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