過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」睦月「その12」【鶴賀】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」睦月「その12」【鶴賀】

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286: ◆tXdh2WZ0lM[sage]
2012/10/23(火) 19:59:07.63 ID:Vp0uc8Hy0
一「……」

カラン、カランと。

鈴が音を鳴らして僕を迎え入れた。

あまり人はいない。

京太郎「いらっしゃいませー」

一「……っ」

京太郎「お一人様ですか？」

一「……はい」

京太郎「かしこまりました、こちらへどうぞ……」

京太郎君、と叫びたくなった。

愛している、と抱きしめたくなった。

……でも、ダメ、ダメだよ僕。

ここでそんな素振りを見せたら衣と同じ道を辿るからね。

やだ、今回こそ成功させるんだから。

一「……」

メニューを見る――ふりをして、京太郎君を見つめる。

ああ、格好いい、前と何も変わっていない。

執事服も似合っているけれど、その制服も似合っているな、なんて。

京太郎「……ご注文ですか？」

一「あ、えっと……」

一「……それじゃ、この紅茶をください」

京太郎「かしこまりました、それで――」

は、と戻ろうとする京太郎君の腕を取って引き止めた。

一「……ねぇ、京太郎君……だよね？」

京太郎「……であったことってありましたっけ？」

一「衣のことで話があるんだけど……ね、ちょっと時間ない？」

京太郎「……」

京太郎「……ちょっと、聞いてきます」

と、京太郎君は戻っていった。

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