過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」睦月「その12」【鶴賀】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」睦月「その12」【鶴賀】

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505: ◆tXdh2WZ0lM[saga]
2012/10/24(水) 00:09:18.15 ID:J/QD6sOS0
～乙女ともみー～

智美「……」

智美「ワハハー……」

智美「くそー……なんでいえないんだろうなぁ……」

男子の名前が、どうしても言葉に出てこない。

いや、知っている。

覚えているんだ。

須賀京太郎。

那須高原の須に佐賀の賀、京都の京に樺太の太、ついでに新郎の郎。

ほら、漢字まで覚えている。

だけど。

だというのに。

智美「……うー、私らしくない」

智美「……須賀ー」

智美「京太郎ー」

智美「……こんなに簡単にいえるのにぃ……」

智美「ワハハ……もう、何がなんだかわからないぞ」

どうして言葉が出てこないんだろうか。

けれど、どうしても言葉が出せないんだ。

……本当、私らしくない。

男子の顔を見ていると、なんだか恥ずかしくなって、言葉を発するのが躊躇われて。

まるで私が恋してるみたいじゃないか。

智美「……」

智美「～～～～～っ！？」

え、何、こい、鯉。いや、違う、鯉じゃない、恋だ、恋、いや、恋じゃない！

お、落ち着け智美……まさかそんなはずは無いだろう。

私は昔から男性が苦手で、それで恥ずかしいだけなんだから。

違う、違うってば！

智美「わ、ワハハー！」

ごまかすように大きく笑った、別に隣に誰がいるわけでも無いのに。

……恋人、かぁ。

思えば無縁だったなぁ、そんな話は。

恋人が出来たら……例えば、海で、かけっこしたりしてるのかな。

私が先に走って、男子が追ってくる感じで――。

智美「……」

智美「なんで普通に男子がモデルなんだ～～～～～っ！？」

智美「わ、ワハハ……もうわけわかんないぞ～～～～～っ！」

がぁ、っと恥ずかしくなる顔を抑えて、真っ直ぐに続く道を全速力で走ったのだった。

終わり。

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