過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」睦月「その12」【鶴賀】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」睦月「その12」【鶴賀】

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731: ◆tXdh2WZ0lM[sage]
2012/10/25(木) 19:47:08.36 ID:ucTMht7F0
～エイスリンちゃんに死ぬまで愛でられる～

エイスリン「カイテ！」

と、彼女はスケッチボードとペンを差し出してきた。

京太郎「……」

京太郎「何を？」

エイスリン「ナマエ！」

名前……いや、なんの名前だ。

京太郎「……」

とりあえずエイスリンと書いてみる。

エイスリン「……」ﾌﾟｸｰ

彼女の頬が膨らんだ。

京太郎「えっと……違った？」

エイスリン「ウレシイ、ケド……チガウ」ｺｸ

むすっとした顔のまま彼女は頷いた。

その三文字を消して、もう一度俺にホワイトボードを渡す。

京太郎「……う～む」

エイスリン「ダカラ、ナマエ」

エイスリン「……カイテ？」

京太郎「……」

これじゃないだろう、と思いつつ、今度は自分の名前を書いてみた。

エイスリン「！」ﾊﾟｧ

エイスリン「アリガトウ！」

どうやらあっていたようだ。

膨れっ面が満面の笑みに変わる。

……ころころと表情の変わる彼女であるが、どの彼女も彼女らしい可愛さに満ち溢れていて、ほのぼのとしてしまう。

エイスリン「ソレジャ、イッテキマス！」

ぎゅ、と彼女はそのスケッチボードを片手で抱きしめ、俺に手を振って扉を開いた。

エイスリン「～♪」

エイスリン「イッショ……フフ」

エイスリン「～♪」

すぐに彼女は振り向き、そのスケッチボードを大切に抱きしめながら走っていった。

京太郎「……」

京太郎「転ばないといいけれど……」

気恥ずかしい気持ちを隠すように、そう呟いた。

終わり

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