過去ログ - 始まらなかった世界【魔法少女まどか☆マギカ】
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1: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 15:58:23.48 ID:gMqyD9490
「それは、あの二人を見捨てるということかい?」
 
 いつかのように、僕は彼女に食い下がる。
 
 けれど、そこからは違った。
 
 彼女はもう答えを見つけていた。
 
 うろたえることも、迷うこともなかった。
 
 彼女は前よりずっと強くなっていた。
 
 彼女はもう――



〜始まらなかった世界〜



概要
・魔法少女まどか☆マギカのSSです
・まったりだったりシリアスだったりします
・途中、2人称になることがあります。
※その際は誰の視点になるか表示します


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2: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 16:00:40.52 ID:gMqyD9490
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「遅いね……」

「本当に……遅いですわね……」
以下略



3: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 16:08:23.85 ID:gMqyD9490
 2人で溜息をついていると、玄関のほうからドタドタと走る音が聞こえ、やがてインターホンの音が鳴り響いた。

「…たぶんさやかさんですわね」

「そうだね。じゃあ出よっか」
以下略



4: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 16:19:26.01 ID:gMqyD9490
「ゴメンッ!講義が思ったよりも長引いちゃって……」

「言い訳は道中でいくらでもお聞きしますわ〜」

「免許持ってるのさやかだけなんだからさ……」
以下略



5: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 16:27:13.15 ID:gMqyD9490
 そして仁美が車庫のシャッターの開閉ボタン押したところで、さやかが思い出したように口を開く。

「あー、そういえばさ、仁美。今日わたしが運転する車って……」

「この中の……確か、左から2番目のがそうですわ」
以下略



6: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 16:30:01.77 ID:gMqyD9490
 そして―

「うっわー……。正直外車ってのは予想してたけど、これは……」

「仁美さん、本当にこの車もらったの……?」
以下略



7: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 16:37:48.49 ID:gMqyD9490
「ええ……最近来た親戚のおじさんが『そっかー、仁美ちゃんも車運転できる年になったかー』とか言って、譲ってくださったの。もともと売る予定ではあったみたいですけど……」

「だからって……。つーか、仁美はまだ自動車学校にすら行ってないってのに……」

 そんなことを話しながら3人は車に乗り込んだ。
以下略



8: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 16:51:06.36 ID:gMqyD9490
「つか他の車は使っちゃダメなの?これよりは運転しやすそうなんだけど……」

「父に交渉はしてみたんですけど……運転手がさやかさんであることを告げたら、途端に渋り出しまして……」

「そういえば……さやか前にここに集まったとき、飾ってあった置物落として壊したよね……」
以下略



9: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 17:04:04.91 ID:gMqyD9490
「ん、ああ。行く途中に国道沿いにある花屋で買ってこうと思ってさ」
 
 仁美の質問に答えながら、さやかは発進準備を整える。

「よーし、さやかちゃんの運転テクニック、とくとご覧あれぃ!」
以下略



10: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 17:07:31.99 ID:gMqyD9490
「頼みますから落ち着いて運転してください、さやかさん……」

「さやか、サイドブレーキ解除し忘れてるよ……」

「……はい」
以下略



11: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 17:21:22.37 ID:gMqyD9490
            ※            ※            ※

 
 花屋に寄った3人は再び車に乗り、目的地へと向かっていた。

以下略



12: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 17:34:52.17 ID:gMqyD9490
「ふんだ、どうせあたしはバカですよーだ」

「いやバカとかじゃなくて集中力の問題……」

 そんなことを話しているうちに車は郊外の山道に入っていた。
以下略



13: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 17:39:39.32 ID:gMqyD9490
「そうだったんでしたわね。中3の時でしたから……4年前ですわね」

「そっかー、あれからもう5年も経っちゃったんだー。……そっかぁ」

「……さやかさん」
以下略



14: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 17:47:11.79 ID:gMqyD9490
 当然のことだろう。4年前の今日の出来事は、5年前の悲劇を思い出さずに語れるものではなかったのだから。
 
 そして、ほむらもまた5年前の今日のことを思い返していた。

 きっと死ぬまで忘れることはないであろうあの日のことを。
以下略



15: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 18:34:55.32 ID:gMqyD9490
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
〜5年前〜 
ほむら視点

 雨の降りしきる中、私は冷たくなった鹿目さんの遺体にすがって泣いていた。
以下略



16: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 18:42:43.17 ID:gMqyD9490
『……あなたと契約すれば、どんな願いも叶えられるの?』

『そうとも。君にはその資格がありそうだ。教えてごらん。君はどんな祈りで、ソウルジェムを輝かせるのかい?』
 
 私は大切な友達が死んだことが、その命を理不尽に奪っていった魔女が許せなかった。
以下略



17: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 18:47:44.74 ID:gMqyD9490
―私は鹿目さんとの出会いをやり直したい。彼女に守られる私じゃなくて、彼女を守る私になりたい―

 
 そう、言ったつもりだった。
 
以下略



18: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 18:52:05.29 ID:gMqyD9490
『ん…、なんだい?よく聞こえなかったよ、もう一度言ってくれるかい?』
 
 風が吹いたのか、私の声が小さかったのか、キュゥべえには聞こえなかったらしい。

『わ…わた、わた…し…』
以下略



19: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 19:05:16.84 ID:gMqyD9490
『わ……わた、し……』

 願いの言葉を紡ごうとする度に、歯が震えて音を立てる。

 やがて私はその震えが恐怖から来ていることに気が付いた。
以下略



20: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 19:12:25.07 ID:gMqyD9490
『あれ……? …あ、れ……?』

 叩きつけられ手足をだらりとさせたまま動かなくなった巴さん……
 諦めずに魔女に向かっていって無惨なまでにボロボロにされていった鹿目さん……
 
以下略



21: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 19:17:09.38 ID:gMqyD9490
『ひっ……ひぃ…!』
 
 願いを叶えてもらうということは、魔法少女になるということであり、それは魔女との命懸けの戦いの日々を意味している。
 
 足元を見れば、その戦いの果てに死を迎えた少女が倒れていた。
以下略



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