過去ログ - 始まらなかった世界【魔法少女まどか☆マギカ】
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19: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 19:05:16.84 ID:gMqyD9490
『わ……わた、し……』

 願いの言葉を紡ごうとする度に、歯が震えて音を立てる。

 やがて私はその震えが恐怖から来ていることに気が付いた。
以下略



20: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 19:12:25.07 ID:gMqyD9490
『あれ……? …あ、れ……?』

 叩きつけられ手足をだらりとさせたまま動かなくなった巴さん……
 諦めずに魔女に向かっていって無惨なまでにボロボロにされていった鹿目さん……
 
以下略



21: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 19:17:09.38 ID:gMqyD9490
『ひっ……ひぃ…!』
 
 願いを叶えてもらうということは、魔法少女になるということであり、それは魔女との命懸けの戦いの日々を意味している。
 
 足元を見れば、その戦いの果てに死を迎えた少女が倒れていた。
以下略



22: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 19:33:43.60 ID:gMqyD9490
『あ……あぁ…』
 
 
 鹿目さん・・・どれだけ苦しかったのだろう、痛かったのだろう。
 
以下略



23: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 19:46:43.44 ID:gMqyD9490
 気づけば私は立っていられなくなり、その場にへたり込んでいた。

 恐怖による動悸と雨による体温低下が、病み上がりの心臓に負担をかけていたのだろう。


以下略



24: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 20:07:11.71 ID:gMqyD9490
『ケホッ…無理……私には……ハァ……無理…』


 息も絶え絶えになりながら、私はキュゥべえに向けて言う。

以下略



25: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 20:08:19.43 ID:gMqyD9490
『……!そ、それは……カハッ…』

『違うというのなら言ってごらん。君には願いを叶える資格があるのだから』


以下略



26: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 20:18:24.19 ID:gMqyD9490
 私が祈れば、鹿目さんと巴さんを救えるのかも知れない。

 けど私は自分の命が危険にさらされるのが怖いという理由で、その祈りを放棄しようとしているのだ。


以下略



27: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 20:27:04.68 ID:gMqyD9490
『そう…です。私には…ゴホッ……無理、なんです』

 
 それでも、私は死への恐怖に打ち勝つことはできなかった。

以下略



28: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 21:08:11.59 ID:gMqyD9490
『…ひっく、ぐすっ……げほっ、ごほっ…』


 臆病で、意気地なしで、弱くて…そんな惨めな自分が悔しくて、私は涙を流した。

以下略



29: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2012/10/22(月) 21:11:33.70 ID:gMqyD9490
その後私は発見され、病院に搬送され手当てを受けた。

幸い命に別状はなく、後遺症も残らなかった。


以下略



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