過去ログ - 【咲-saki-安価】魔王クエスト〜魔法少女と探偵とくのいちと目立ちたがりの姫君
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713: ◆Rf40X2USO7Yr[saga ]
2012/11/10(土) 15:44:37.84 ID:n4bM6fUAO


 下草の絡み付く深い森の中。

???「…はあっ、はあっ…」

 鍛え上げられた身体も、長きに渡る追跡と、厳しい戦いの連続、はては手負いの状態とあっては、消耗して息切れしてくるのも仕方なかった。

???「…この追っ手だけは…片付けるしかないか…」

 追跡者たちは自分のいる場所をだいたいの範囲で見きわめながら、徐々にその包囲網を狭めて来ている。

 手がかりを残すことなく網目を抜けて出ることは、もはや不可能と言ってよかった。

???「…仕方ない…なら」

 追われている女は髪が短く、忍び装束に身を包んでいる。年の頃は二十半ば過ぎといったところだろうか。

 追跡の網目の一番手薄そうな場所に向かって、真っ直ぐに突き進む。

下忍「むっ!…いたな!」

 すぐにくないが女の身を掠めて飛んできた。女は素早くそれをかわしながら樹を背にして背後を取られないようにする。

下忍「…抜け忍め。阿知賀の里の掟を破り、我ら忍群を裏切った罪は重いぞ」

 追っ手の一人の下忍が女の前に姿を現す。

下忍「たとえ、元は里の功労者であったとしても…その罪は死をもって償ってもらおう、赤土晴絵!」


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