過去ログ - 美希「ホンキのミキを見せてあげる!! 」
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10:1 ◆I2jlM7s7F6[saga sage]
2012/10/26(金) 21:25:15.55 ID:EzlW5vRR0


「他にも3年前の関東のお手玉選手権や、4年前の小学生百人一首優勝者などでもこの星井美希という名前が
 該当しますね。出場している大会の開催場所や時系列を見ても、おそらく同一人物で間違いないでしょう。
 しかしどの大会も出場したのは一度きりで、翌年以降は出場していないみたいです。一種の大会マニア
 でしょうか」

「いや、鳥が好きみたいだが、それ以外は出場している大会やコンテストの傾向を見ても特にこだわりはない
 みたいだし、そんなに熱心に出場しているわけでもなさそうだな。おそらく彼女は気の向くままに、その時々
 の自分の気分に合った大会やコンテストに出場してるんだろう。我那覇響ではないが、こっちもある意味
 オーディション荒らしだな」

 プロデューサーが冷静に分析する。だとしたら非常にもったいない。星井美希はその有り余る才能を持て余し、
大会の難易度に関係なく手当たり次第出場して入賞をさらっている。そして他の出場者にとっては迷惑極まり
ない存在だ。リベンジに燃えようにも、次の大会にはいないのだ。そんな彼女がどうやらアイドル業界に
興味を持ったようだ。

「この業界はしつこいヤツが多いからなあ。少しでもアイドルの才能の片鱗をのぞかせようものなら、スカウト
 達はスッポンみたいにくっついて離れないぞ。ちょっと興味を持って出場してみただけが、この子もこのまま
 アイドルとしてデビューするかもな」

「ま、しばらくは様子見ですね。それにこの子にしろ我那覇響にしろ四条貴音にしろ、ウチよりもっと大きな
 事務所の所属になるでしょう。敵に回った時の対策は考えても、プロデュースの構想なんてするだけ
 ムダですね」

 この話はひとまずここまで。私はデスクの引き出しから極秘のファイルを取り出した。こっちはこっちで
忙しい。来月には社長に承認をもらって、このプロジェクトを始動させないと。

「例の企画か?どれどれ……」

「だ〜め〜で〜すっ!! いくらプロデューサー殿でも、この企画の中身は見せられません〜!! 」

 ファイルを覗き込もうとしたプロデューサーから、慌ててガードする。同じ事務所の仲間でも、この企画に
関してはライバルだ。

「ちぇっ、つまんねーの。でも俺もようやく千早のデビューにこぎつけたわけだし、これからどんどん
 売り込んでいかないとな」

「そうですよ。テレビ局総ざらいしてやっと深夜番組の15秒の曲紹介だけなんて、千早がかわいそうです。
 もっとガンガン攻めていかないと!! 」

「はは、手厳しいな。でも律子はユニットのプロデュースを考えてるんだろう?ソロで売り出すより大変だと
 思うが、大丈夫か?」

「心配いりません!! 私の企画は完璧ですから。うかうかしてると追い越しちゃいますよ〜!! 」

 そう言ってふたりで笑う。765プロはまだまだ弱小事務所だが、いつまでも業界の片隅で小さくなっている
つもりはない。765プロの伝説は今から始まるのだ―――――




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