過去ログ - 美希「ホンキのミキを見せてあげる!! 」
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15:1 ◆I2jlM7s7F6[saga sage]
2012/10/26(金) 21:35:18.96 ID:EzlW5vRR0


***


 次の日の夕方、ミキが公園に行くと半べそをかきながら何かを探しているあの子がいた。ミキは後ろから
そっと近づいて、肩をぽんぽんとたたいた。

「はいこれ。あなたのでしょ?もうなくしちゃダメだよ」

「はわわ……、べろちょろ〜〜〜〜〜!! ありがとうございます!! ずっと探してたんですぅ〜〜〜〜〜!! 」

 へえ、べろちょろって言うんだ。カワイイ名前だね。よく似合ってるよ。

「じゃあね、気をつけて帰るんだよ」

 たまには良いこともしてみるものなの。ミキは鼻歌を歌いながら家に帰った。

「あ、あの……、待ってください!! 」

 すると後ろからべろちょろを持った女の子が追いかけてきた。ちょっと緊張してるみたい。

「よ……、よかったらうちにきませんか?お礼もしたいし……」

「いいよベツに。ミキそんなに大したことしてないし」

「そんなことありません!! 」

 ミキの言葉を、女の子は目一杯否定した。ミキ怒られたのかと思ってびっくりしちゃった。

「あ……、ごめんなさい……、でもべろちょろのひもも直していただいたみたいだし、ホントに大事なもの
 だったからちゃんとお礼がしたいっていうか……」

 ぼそぼそと女の子がしゃべる。弱気に見えて結構強引なの。こう言われるとミキも断りにくいじゃん。

「それに私、あなたと一度お話してみたいなって思ってたんです。きれいな人なのに、いつもひとりで公園の
 池のカモさんに話しかけてて、何してるのか気になってたっていうか」

 きれいな人って言われるのは嬉しいけど、微妙にぼっちの不思議ちゃん認定されてない?でも気になってた
のはミキも同じなの。

「あの……だめでしょうか……?」

 涙目プラス上目遣いがこんなに恐ろしい武器になるとは思わなかったの。ヤバい、このコかなりカワイイの。
最近響とか貴音とか、ミキが自信なくしちゃうような女の子ばかり出てきて困っちゃうの。

「わかった、わかったからそんな目で見ないでほしいの。今日はミキもヒマだし付き合ってあげる。でもミキ
 今お金ないから、あまり遠いところはダメだよ」

「だったらちょうどいいです!! わたしの家で一緒に晩ご飯を食べましょう!! 今日はもやし祭りの日ですし、
 きっと喜んでもらえると思います!! 」

 目をキラキラと輝かせて、女の子が元気よく言った。もやし祭り?何の儀式?

「じゃあべろちょろも戻ったし、さっそくおかいものにいきましょーっ!! 」

「お、お〜、なの」

 こうしてミキは、いつも忙しそうな女の子と一緒にスーパーに行くことになった。

「あ、申し遅れました。わたし、高槻やよいって言います。よろしくおねがいします!! 」

 やよいかあ。確か三月だっけ。よく合ってる名前なの。

 ……あれ?二月って何だっけ?四月はうづきで、五月がさつきで。確か最近どこかで見たような―――――

「ま、いっか」

 ミキは考えるのやめて、前を元気に歩くやよいの後ろについていった。





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