過去ログ - 美希「ホンキのミキを見せてあげる!! 」
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2:1 ◆I2jlM7s7F6[saga sage]
2012/10/26(金) 21:00:21.97 ID:EzlW5vRR0


ミキにフカノウなんてないの。


 ミキは小さい頃から何でも出来たの。一輪車だってゴム跳びだってお遊戯だって、いつもミキが一番最初に
出来て一番上手だったんだよ。スゴイでしょ。ミキはいつだってみんなの憧れで、ヒーローでスターでお姫様
だったの。幼稚園の時なんて、1日に最高30人の男の子に告白されたことだってあるんだから。

 でも中3になった時、そんなミキをムカついた女の子達がいたの。うーん、思春期ってフクザツだね。ミキ
イジメられちゃった。と言っても、ミキの中学校はマジメなコが多かったからヒドいイジメはなかったけどね。
でも靴やノートにイタズラされたり、ムシされたりヒソヒソされるのはイヤだったな。

 だからミキも対抗することにした。ある日登校前にマツキヨに寄って、ヘアカラーを買ったの。それで駅の
トイレでマッキンキンに染めて登校しちゃった。ミキをイジメてたコ達はビックリしちゃって、ミキから目を
そらすようになったの。ひとりだと何も出来ないコばかりだったから、ミキにすっかりビビったみたい。イジメ
もなくなって、ミキの平和な日常が帰ってきたの。

 でも今度はセンセイ達が大騒ぎになったの。ミキは生徒指導室に呼び出されて、そのままお説教されちゃった。
センセイにはミキがグレちゃったみたいに見えたのかな。別にそんなつもりないのに。放課後にはパパとママ
まで来ちゃった。ふたりともミキのアタマを見てビックリしていたけど、すぐに何か悩み事でもあったのかって
心配してくれたの。パパもママも優しいからダイスキ。

 でもそうなるとちょっと困ったの。どう言ったらいいのかなって。正直にイジメられたからなんて
言っちゃったら、パパもママもすごく心配しちゃう。もしかしたら転校させられちゃうかもしれないの。ミキ
この学校好きだし友達とも離れ離れになりたくなかったから、転校はイヤだったの。イジメもなくなったし、
このままの生活を守りたかったの。

 だからミキ、なんとなく思いつきでセンセイとパパとママに言ったの。

「ミキ、将来アイドルになりたいの。アイドルになってキラキラしたいのっ!」

 って。芸能人だったら金髪でも問題ないよね。本気でアイドルになりたいワケじゃなかったけど、われながら
ナイスアイデアだと思った。結局髪を染めたことはうやむやになって、授業中居眠りが多い事を怒られて
終わったの。別に髪を染めてもミキはミキだし、いつも通り何も変わらなかったから大目に見てくれたみたい。
これでようやくミキの平和な暮らしが戻ってきたの。

 ……と思ってたら、またメンドくさいことになったの。

 ある日学校から帰って来ると、奈緒お姉ちゃんがアイドルオーディションのパンフレットをいっぱい持って
待ってたの。どうやらミキの言葉をすっかり信じちゃったお姉ちゃんが、ミキの為にわざわざ調べて集めて
くれたみたい。お姉ちゃんはミキのことを可愛がってくれるからミキもダイスキなんだけど、時々暴走しちゃう
困ったさんなの。

 でもせっかくお姉ちゃんがミキの為に集めてくれたんだし、あんまり気は進まないけどオーディションを
受けてみることにしたの。出来るだけ家から近くて、早く終わりそうなオーディションを選んで申し込んだ。
ちゃんとアイドルになるために頑張ってるってアピールもパパやセンセイにしなくちゃいけないし、
オーディションの実績のひとつくらいは必要かな。申し込んだオーディションはダンス中心だけど、ミキ運動は
得意だし自信もあるの!!

 そしてオーディション当日。もしかしたらグランプリとっちゃうかも〜とか、そしたらますますアイドルに
向けて忙しくなるのかな〜とか、でもそれもちょっと楽しそうかな〜なんて考えながら、会場に入ったの。

「それではエントリーナンバー21番、星井美希さんお願いします」

「はいなの!」

 審査員のオジサン達が見ているステージに立つ。あは☆ なんだかホントにアイドルになったみたいなの。
気分も良いし、久しぶりに本気でダンスしちゃおっかな!







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