過去ログ - 美希「ホンキのミキを見せてあげる!! 」
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◆I2jlM7s7F6
[saga]
2012/10/26(金) 21:52:17.85 ID:EzlW5vRR0
***
―765プロ事務所―
「……というわけで、来月に『竜宮小町』プロジェクトをスタートさせるから、あんたにはこのユニットの
リーダーをやって欲しいの。出来るわよね?」
「当然じゃない。この私を誰だと思ってるのよ。亜美とあずさくらい余裕で従わせてあげるわ」
「いや、ユニットっていうのはそういうのじゃないんだけど……」
事務所の会議室に伊織を呼び出して、私は彼女だけにプロジェクトの概要を説明する。私が考えている
ユニットの構想は、伊織がリーダーで牽引役なのだ。だから彼女だけには事前に話す必要があった。そして
向上心の強い伊織は、こちらの予想通り快く引き受けてくれた。
「ところで律子、この話はまだ誰にも言ってないわよね?」
「ええ、そうだけど。アイドルの子達の中ではあんたが最初よ」
話を終えたところで、伊織が突然不思議なことを訊いてきた。
「最近亜美と真美の様子がおかしいのよ。妙に張り切ってるというか、私や他のみんなにも闘争心むき出しで
レッスンしてるというか。もしかしてバレてるんじゃないの?」
「そうなの?あの子達、私のファイルをこっそり覗いたのかしら。でもユニットのメンバーの名前までは書いて
ないし、誰が選ばれたかまでは知られてないと思うけど……」
「それが逆に勘違いさせてるんじゃないかしら。まだメンバーは未定で、これからの頑張りで自分達にも
チャンスが来るかもしれないと考えているとか」
確かにその可能性はあるわね。今後は情報の取り扱いには注意しないと。
「それだったらそれで構わないわ。少なくとも亜美はメンバーなわけだし、勘違いさせておけばあの子達も
少しは真面目にレッスンに取り組むでしょう。でも一応まだこの話は他の子には内緒にしておいてね」
「あんたもなかなかえげつないわね。でもわかったわ。どうせ来月には分かることなんだし、黙っとくわよ。
ちゃんとこのスーパーアイドル伊織ちゃんが活躍できるように準備しなさいよね!! 」
「はいはいわかってるわよ。あんたもこれから忙しくなるんだから、しっかりレッスンしときなさいよ」
伊織を送り出して、私は自分のデスクについた。情報が漏れたかもしれないのはちょっとしたイレギュラー
だったけど、他の子達を出し抜こうとしているのか亜美も真美も言いふらしてはいないようだ。だったら無用な
混乱も起こらないだろう。うん、問題なし。さて伊織の返事ももらったし、プロジェクトの最終調整を
しましょうか―――
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