過去ログ - 玄「ようこそ松実館百合の間へ!」
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32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/11/10(土) 00:05:26.09 ID:Aq09QVXUo
玄「大掃除って言っても、別に旅館全部を掃除するって訳じゃないから」
灼「ふうん…」
玄「一部屋だけ」
灼「そうなの?」
玄「うん」
灼「一部屋だけなのに大掃除?」
首を捻る灼ちゃん。言いながらもてきぱきと帰る準備をしています
雀卓の上に置いてあった学生鞄を手に取ったので、私もそれに習って学生鞄を手に取ります
玄「もう十何年使って無いからね〜。結構大変そう」
ちょっとあの部屋を思い出してゲンナリしてしまいました
灼「へ?」
玄「今は物置になってるのです」
灼「物置?」
玄「はい!」
灼「使ってなかった部屋を復活させるの?」
玄「その通りだよ。リフォームがまだ終わらないのにお客様が増えてきてて、このままお断りするのも申し訳ないからって、お父さんが」
灼「…まさか、古い旅館にありがちな、なんか出る訳ありの部屋とか…」
じとーっ。灼ちゃんがこっちを怪しいものでも見るような目で見やって来ます。心なしか立ち位置もさっきより離れてるような…
玄「いやいやいや。ないない。そんなことないよ」
苦笑しながら否定します。そんな大した理由は無いってば。無いはず…無いよね?物心付いた時にはもうあの部屋は物置部屋でした
そう言えば、いつ頃あの部屋は使われなくなったのかな?
灼「…なんか呪われそうで怖いな」
信じてくれてない!?ああー!灼ちゃんがどんどん後ずさりながら離れてく!?
そしてそのまま流れるように手を持ち上げて…シュタッ!っと手をこっちに振ったと思ったら
灼「じゃ、そういうことで」
あ!逃げた!うわわわ!?もう外も暗いし怖いよ、置いてかないで!うちの旅館より暗くなった学校のほうがよっぽど怖いよ!
玄「待ってよ〜!」
たたたたたたっ!走れ!頑張って追いつけ私!…って、あれ?教室出たらもう居ない。灼ちゃんってこんなに足速か
灼「さて、施錠完了」
!?
灼「じゃ、職員室に鍵返して、帰ろうか。玄」
教室を出て灼ちゃんの姿を探し、数秒。後ろで鍵をかける音に振り返るとそこには灼ちゃん
どうやら逃げたと思わせて追いかけてきた私をやり過ごし、きっちり施錠してくれたみたいです。流石頼りになる部長はどんな時もしっかりものでした
玄「…」
あまりの事にカチコチと固まった私の顔を見て、彼女は…
灼「…くすっ」
謀られた!!
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