過去ログ - 玄「ようこそ松実館百合の間へ!」
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695: ◆yrJRSlkK49Vw[saga]
2013/08/05(月) 21:18:00.28 ID:lhaY2Acqo
「……そういえば、今日はあんまり強いお酒飲まないんやね?」

何気なく。そこでふと思って、そう口にしてしまったんや。
ああ、まぁねーみたいな感じで軽く受け流されたけど〜〜。

「なんやそれ〜〜」

酔っぱらいはアカンな〜〜。そこで意味深な返しをされて、尚突っ込んでまう。

「なんか隠し事してるんとちゃう〜〜?」

コップ持って、対面に座っとった善野さんの目の前までふらふら歩いてった。

「私寂しいわ〜。愛しの善野さんが私に隠し事しとるなんて〜〜」

そうやってよよよ、って感じで泣き真似したりして。
もっかい溜息吐いた善野さんに「やっぱり飲ますんじゃなかった」なんて言われたりして。

「なんやとこら〜〜!」

そう言って善野さんの華奢な肩を荒っぽく揉んだら、痛がられて。
気が大きくなっとった私は、それでも止めなくて。

「こらこらやめなさい」なんて珍しく善野もちょっと怒った風に言ってきて。
私はそれでも面白がって止めなくて。
「ほら。ちょっと臭うよ。シャワーでも浴びて頭冷やしてきなさい」みたいな事言われて私は「なんやとー!」って尚更肩を揺さぶるようになって。
3度めの溜息を吐いた善野さんが、ちょっと声に詰まった後

「ああもういい加減にしないと」って、小さな声で。

「やめないとキスするよ」って、震える声で。

一気に酔い、醒めた。

思い出した。私は。善野が。同性愛者。レズビアン。私を好き。
混乱して。息が詰まる。頭が冷える。体が震えた。彼女の肩掴んでた手を、慌てて離した。

離して後悔した。突き放すような事やってまった。
善野さんは動かず、私は動けず。
静寂の中、エアコンの控えめな稼動音だけが聞こえる部屋で

ようやく発された「ほら」って、冷たい声に恐る恐る善野さんの顔を見たら
「やっぱり後悔した」って言いながら、泣きそうな天使の顔があった。


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