5: ◆lSMZP41nLE[saga]
2012/10/29(月) 17:15:41.90 ID:maIzDyKw0
▽打ち止め
そんなたくさん食べないあの人が珍しく食卓に長居してた。
それだけは何となくわかってたけど、それどころじゃない。日曜朝七時半には、ミサカ的ウィークリー・ビッゲスト・イベントのひとつであるカナミンが放送するのだ!見逃す手はなぁーいっ!!
………でも、ちょっと勿体無かったかも?
カナミンの次回予告にハラハラしてたミサカを現実に呼び戻したのはミサカ達の末っ子のおっきな笑い声で、あの子の笑いの種なんてあの人しかいない訳で……
どうしたのっ!?ってミサカはただならぬ様子に野次馬根性を燃え上がらせてみたり!
「げひゃひゃひゃひゃひゃっ!!なぁーんだよ!その面っ!?あっりえねえええええええええ!!」
えっ!なになに!?
ミサカが振り向いた時にはもう遅かったが、あの人が滅多に見えない顔をしていたらしい。
番外個体曰く「間抜けヅラ」。
むむぅー。この子は口が悪いなぁ。
この子も、あの人の顔がすっごい可愛いの知ってるくせに素直じゃない。
ミサカはロシアの雪原で、あの人の本当の笑顔を見たことがある。
とっても綺麗で、やさしくて、可愛らしい笑顔。ミサカしか見たことのないあの笑顔は、ミサカの一生の宝物だ。
だけど、少しだけ寂しい気もする。
あの人はこんなに優しくて、強くて、格好良い。それなのに、わかってくれる人はほとんどいない。
もし、あの人の周りが優しい世界になったら。
あの人が、眉間にしわを寄せなくてもいいような世界になったら。
あの人が、自分の名前を堂々と名乗れるような世界になったら。
そんなことを考えずにはいられない。
あの人の笑顔を独占するのも悪くない。でも、それはちょっとだけ欲張りというものだ。あの人とミサカの間以外にも世界は広がっていて、ミサカは0歳で、あの人は十六だ。
そう、まだ十六なのだ。
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