過去ログ - 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART31【安価】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART31【安価】

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231: ◆VKI0t6RCNA[saga]
2012/10/31(水) 18:19:09.62 ID:ImtLop8Oo
仕事を終えて、家に帰る。

二段式の、上だけ鍵をかけているのが我が家のルールだ。

特に理由はないけれど、多分、両方掛けるのが面倒だとか、その程度の理由だっただろうか。

まぁ、それは良いとして。

玄関を開けるや否や、淡が飛びついてきた。

俺は驚かない。

仕事を終えた俺に真っ先に淡が飛びつくのは、なれたものだ。

玄関のフローリングで座って俺を待っている。

まるで主人を待つ犬のようだ。

ますます、俺は満たされていく。

淡「おかえり、きょーたろー」

京太郎「ああ、ただいま」

この会話だけ聞けば、普通の夫婦に見えるだろう。

だけれど実際は、そんな綺麗なものじゃない。

汚れているのは、俺だけなんだけれど。

京太郎「……淡、ちょっと良いか？」

淡「な、なに？」

ごそごそと鞄を探る。不安そうな目で淡が俺を見る。

……ああ、まだ先日のことを覚えているのか。

どんな反応をするかと思って、離婚届を出したんだっけ。

勿論、俺にそんなつもりは一切ない。

ただ、どんな風に淡が泣いてくれるのかを見たかっただけだ。

結果から言うと、効果は覿面だった。

あんなに取り乱して泣き乱した淡は、久々に見たからな。

京太郎「違う違う。離婚届じゃない」

淡「そ、そう」

離婚、と言う言葉だけで表情に翳りが見える。

その表情を楽しみたいが、それはまた今度にしよう。

京太郎「これを、お前にやろうと思ってな」

淡「？」

そういって俺が取り出したのは、首輪だった。

白い革に、金属の穴。

紐はない。見ようによっては、チョーカーに見えなくもないが、しかしやっぱり無理があるだろう。

淡「こ、れ」

京太郎「不満か？」

にこりと笑う。

この表情をした俺に、淡が逆らったことは、一度もない。

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