過去ログ - 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART31【安価】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART31【安価】

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55: ◆c.38a0Ec1E[saga]
2012/10/31(水) 12:51:58.32 ID:ImtLop8Oo
京太郎「いやいや……」

ここで追いかけないなんて選択肢、あるのか？

自分が関係していようとなかろうと。

自分が助けてあげられないとしても。

辛そうな人を放っておくなんてこと、出来るか？

京太郎「……」

京太郎「……出来ないよなぁ、そんな事」

そんな事を出来るなら。

そんな奴に堕ちるなら。

とっくに咲も誠子さんも尭深さんも、俺のことを見捨ててる。

俺は。

あの後姿を追いかけないといけない。

京太郎「……菫先輩」

菫「……君か」

ロビーに出たところで、呼び止める。

立ち止まった菫先輩は、振り返らない。

だけれど。

立ち止まってくれたことが嬉しい。

少なくとも、言葉は届く。

京太郎「……」

菫「……」

京太郎「……」

菫「……」

京太郎「……あの」

菫「……分かってる」

俺の言葉を遮るように、菫先輩が呟いた。

菫「君が何を言いたいかは大体分かる」

菫「私に何を言ってほしいのか分かる」

京太郎「……」

菫「……打とうか」

京太郎「……え」

振り返った菫先輩は、いつも通りのそっけない表情だ。

見た目は。

あくまで、見た目は。

鋭い氷柱は、鋭ければ鋭いほど折れやすい。

氷の湖面は、透き通るほどより割れやすい。

果たして。

今の菫先輩は、いつもの菫先輩なのだろうか。

それとも。

割れて折れやすい、弱い心なのだろうか。

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