過去ログ - 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART31【安価】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART31【安価】

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81: ◆c.38a0Ec1E[saga]
2012/10/31(水) 13:18:49.58 ID:ImtLop8Oo
追いかけないかゾロ目でルート消滅やったんやで。

多分、私は彼に惹かれているんだと思う。

一緒に打っていると、心がそわそわして仕方ない。

一緒に食事をすると、心がむずむずして仕方ない。

笑わないように心がけているけれど、気がついたらそれが出来ないでいる。

迷惑ばかりかける新入生だと思っていたはずなのだけれど。

どこでそうなったのかは、これはいよいよもって永遠の謎になりそうだ。

多分、それを解き明かす記憶の度は、きっと楽しい。

でも。

今こうして一緒にいるほうが、もっと楽しい。

それをおくびにも出せない自分の性格が、ちょっとだけ嫌になるのは置いておいて。

私は多分、凡人だ。

普通の、どこにでもいる打ち手だと思う。

今でこそこうして白糸台の一軍にいるけれど、いつ蹴落とされてもおかしくないと思っている。

謙遜でも皮肉でもなく、本当に。そう思う。

だからこそ、努力する。

だからこそ、練習する。

照や淡のように、生まれついての天才ではないから。

彼女達の足元にも及ばない私だから。

少しでも追いつきたくて、練習する。

そうやって頑張って頑張って、ようやく身に付けた技術が一つだけ。

照からすれば歯牙にもかからないような、微々たる力だけれど。

それでも、私は嬉しかった。

こんなちっぽけな力一つで、照に届くとは思っていない。

見上げても見えないほどに先に居るであろう照に、一センチでも近づけるなら、私はそれだけで良いと思っただけだ。

せめて。

せめて照が、私の名前だけでも覚えてくれるような。

そんな些細な願いを包んだ、私の力だ。

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