過去ログ - 京太郎「咲と安価で」咲「ぼのぼのしよー」
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619: ◆eu7WYD9S2g[saga]
2013/01/23(水) 21:54:08.93 ID:nhzOmA7O0

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

あつっ。

咲がスプーンを啄ばんだ瞬間、京太郎はそう口走っていた。
熱い。
火傷したように熱い。
スプーンに触れた親指の腹と人差し指の第一関節が、どうしようもなく熱い。

錯覚だ。
多分、錯覚だ。
錯覚だとはわかっているのだが、あまりにも現実感に満ち満ちた錯覚だった。


「んっ、く、んん……京ちゃ、ぁん」


それというのも目の前の昔馴染みが、あまりに茹だりきった蕩け顔を晒しているからだ。
心のどこかで京太郎は気が付いていた。
この心臓まで届くような熱は、咲の熱だ。
咲のうだるような熱が、二人の間の金属を伝播して自分に伝わったのだ。

束の間だが京太郎は、それが紛れもない真実なのだと信じた。
ゆらゆらゆらめく蜃気楼のような真実もどきに、己の全てをチップにしてオールインしようと、正常な思考のできない脳みそでそう決断してしまった。



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