過去ログ - 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART34【安価】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART34【安価】

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94: ◆cvvZKri7SI[saga]
2012/11/04(日) 17:41:32.16 ID:9YOnE3TZo
京太郎「あぁ、対局後のお茶は身体に沁みますね」

尭深「そういってもらえると、嬉しい」

京太郎「日本人はやっぱりお茶ですね」

尭深「……、うん」

視線は自身の湯呑みの中。

だけれど、表情はほころんでいて、嬉しそうだ。

自分の好きなものを褒められるのは、誰だって嬉しいだろう。

そんな尭深さんの表情を見るのが、俺にとっては別の喜びだったりするんだけれど。

尭深「……、須賀君。強くなった、ね」

京太郎「そうですかね」

尭深「……うん。すごく、強くなったよ」

尭深「……、もう私より、ずっと。ずっと、強いよ」

京太郎「さすがにそれは」

尭深「ううん」

京太郎「……」

尭深さんが手を抜くような人ではないのは、俺にだって分かる。

そして、そんな尭深さんと練習で卓を囲んで。

最後に負けたのはいつだったか。

それは多分。

遡るにしても、合宿より前になるかもしれない。

勿論、運やめぐり合わせはあるけれど。

尭深「……昇格試験。頑張ってね」

京太郎「……」

ほんの少しだけ傾いた尭深さんの髪が、さらりと流れた。

同じく少し赤い頬は、むしろ肌の白さを強調するような。そんな色。

そして俺はあることに気付いた。

尭深さんの表情に、後ろめたさや悲しみといった類のものは見られないということに。

だとしたら、その言葉は。

昇格試験、と言う言葉を。

マイナスの気持ちなしに口にしたのには、一体どういう意味があるんだろうか。

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