過去ログ - まどか「この世でたった一人の、魔法少女に…なっちゃった…」
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8:ひな助 ◆Ui8SfUmIUc[saga]
2012/11/04(日) 17:13:27.68 ID:Yu1iOOog0
【マミの自室】

ぎしっ。
マミのベッドに横になると、ベッドが軋みの音をあげた。
まどかが私に布団をかけてくれる。
カーテンを閉められたマミの自室の暗闇の中、
まどかの雪のような手だけがぼんやりと淡く映し出されていた。

まどか「疲れがとれるまで寝ちゃおう?」

「えぇ…」

疲れなんか本当はないのに、私は弱々しく頷いた。
ただ、気疲れだけが体の底に溜まっていく。
魔法少女といった時の三人の顔。
『なにをいっているんだ、この子は』
口には出さずとも、そう顔に書かれていた。

どうして。

でも。

嬉しい、のかな…。

気がつけば、私の紫のソウルジェムもない。

これは魔法少女の私からすれば、それこそ呑気に寝ている場合じゃないのに。

気がつけば、なんて状況じゃないのに。

砂に水が染みるように、その事実は私の胸に溶け込んでいく。

魔法少女がない世界。

それは、とっても幸せなことなのかもしれない。

たとえ、これが私の夢だったとしても、

「もう、休んでもいいのかな」

私は、睡欲の海へとゆっくりと体を委ねた。




まどか「……ほむらちゃん」

まどか「…ごめんね」

まどか「…わたし……」


まどか「この世でたった一人の、魔法少女に…なっちゃった…」





そう呟いた少女の囁きは、誰の耳にも届くことはなく、
ただ、暗闇の底に静かに落ちた。





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