26: ◆asJU3gh8ZA[saga]
2012/11/10(土) 18:57:46.48 ID:cEU74SRyo
彼は話の腰を折られて一瞬悲しそうな顔をしたが、すぐに立ち直ると、
「…というわけで、信じたくはないがサイトくんが誰かとの逢引を夜に行っているのは間違いではないようだ。」
「そうよね……。で、その肝心のお相手なんだけど…どう思う、ジャン?」
ううむ、と首をひねるコルベール。彼はもとよりあまりこのような色恋沙汰に明るくはないのだ。しかし、そんな彼でさえひとつだけ確信を持って言えることがあった。
「これだけは言えるが。」
「言ってみて、ジャン。」
「逢引の相手はミス・ヴァリエールではないだろう。」
「……どうしてそう思うの?」
「彼女はもはや彼の恋人であると周りに認識されているからだ。彼だってわざわざ疑われるような真似をしなくたって、彼女とはなんだってできるだろう。」
「そうね、ジャンにしては上出来だわ。……となるとあのシスターやティファニアが怪しいってことになるけど、どうなの、ジャン?」
「いや、その線もないな。だってミス・タバサが夜に彼の部屋へ出かけたとき、シエスタくんやティファニア嬢はぐうぐう寝ていたんだろう?」
「そうよね……となると相手は……」
「こっそり誰か知り合いとどこかで会っているのか、それとも……」
そこまで聞いて、にやり。とキュルケが笑う。しかしその表情には、どこか友を心配するような色もうかがえる。
「例の公爵家より高貴な女性……ってとこかしらね?」
「ううむ、サイトくん……」
「……ほんと、どこを目指しているのかしらね。あの伝説の使い魔は。」
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