過去ログ - 見習い魔法使いのいつもと違う一日
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38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/11/09(金) 15:45:41.87 ID:iX4/EhmQo

「俺たちその草が必要なんだよ。猫が具合悪くてさ。頼むから分けてくれよ」
「猫?」
 おじさんは目を丸くして、それからまた笑った。今度は意地悪な感じのする嫌な笑いだった。

「猫! お前は月王草の価値が分かってないようだな。これは不老長寿の秘薬の元だぞ」
「だからなんだよ。こっちも大変なんだよ!」
「うるさい!」

 おじさんは詰め寄るルークを突きとばした。
「これはわしのものだ! 誰にも渡さんぞ!」
 そう言って後ろの馬車に乗り込む。
「出せ!」
 馬車はゆっくりと進みだした。

「っつぅ……」
「だ、大丈夫?」
 リリーは尻もちをついたルークに近寄ってかがみ込んだ。
 見るとどうやら手をすりむいてしまったようだ。



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