過去ログ - エルフ「素敵な顔ですね」
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12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/11/07(水) 00:46:51.72 ID:0rJjsqvo0



陽光が目蓋を透過して、私の網膜を刺激していた。
右手で両眼を覆いながら数度瞬きをして、具合を調節しようと試みる。

覚醒したばかりの思考は朧で、正常に機能しないが、取り敢えずは上体を起こし、現状の把握を開始する。

質素な室内。小さな丸い窓。
寝心地の良いベッド。手触りの良いリネンのシーツ。燭台。

「起きられたようですね」

声をかけられて初めて、ベッドの傍に誰かがいることを認識した。

聞き覚えのある声だった。

彼女の姿を視界に入れてから暫らくの間、私は呆けていた。
警戒も不安も忘れて見惚れていたのだ。

人間では無かった。人間の持ち得る美貌では無かった。

エルフの事を妖精と形容する者も多い。
それは彼等の性質を指している事も有るが、多くはその外見を示唆しての事だ。

どこまでも白い肌は陶磁器などでは比較にならない程に艶やかで、その物腰は視線を引き寄せて離すことを許さない。

双眸は閉じられていて、彼女という存在の全容を隠している。

それでも人間より少し大きい尖った耳が、彼女が何者なのかを示していた。


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