168:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/28(月) 01:08:29.49 ID:fPH2cCTj0
やがて娘は私へ向き直った。
「……用事が済んだなら、さっさと戻ってフィリアを見張っていろ。あいつはすぐに無茶をするからな」
私はフィリアが殆んど休憩を取ろうとしない事を伝え、彼女からも説得するように頼んだ。
「……悪いが、私はとても眠いんだ。それに私が何を言っても無駄だろう」
あまり期待はしていなかったが、やはり少しだけ落胆した。
仕方がないので、私は空になった皿を手にして彼女の作業部屋を立ち去ろうとする。
「……ありがとう」
思いがけない言葉に驚いて振り返ると、黒エルフの娘は褐色の肌の上からも分かるくらいに頬を紅潮させていた。
それを見られたくないのか、片手で顔を隠していた。
「……っ! わ、忘れろ! さっさと行け! 首の骨を折るぞ!」
彼女は照れ臭さを消そうとしたのか必要以上に大きな声を出した。
彼女の場合冗談ではないため、私はそそくさと立ち去る。
娘との距離が縮められて浮かれ気味であった。
また混血の少女とフィリアの事が気にかかっていた。
だから気付けなかった。
私が立ち去る直前に、彼女が鼻血を出していたことに。
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