192:デザインが変わっとる[saga sage]
2013/07/28(日) 23:58:40.80 ID:PF3XogUG0
「やれやれ、しょうがない」
そう言って、男は大きく口を開ける。
彼が口を開く代わりに、私は驚愕して目を見開いた。
口内の隅から隅まで、夥しい呪が刻みつけられている。
男は口を開いたまま、ニタリと笑う。
私は戦慄し、後ろに飛び退く。
間を開けずに、槍のような尖った物質が私の目と鼻の先を貫いた。
呪術によって伸長、硬質化された肉――舌であった。
――体に呪を刻むことは本来は有り得ない。
道具による呪術行使よりも遥かに不可がかかるからだ。
呪術が勝手に発動して、発動者の生命力を根こそぎ奪ってしまうこともある。
現に私が人間用の呪術開発に関わっていたとき、刻印型呪術に成功したのはたった一度だけだった。
つまり私だけが成功なのである。
この十年間で研究が大幅に進歩しているのだろうか。
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