215:センターおわた[saga sage]
2014/01/20(月) 00:45:20.06 ID:9+fpmMt00
また、この三日間の内に重ねて悪いことがあった。
この家に外のエルフが訪れてしまったのだ。
フィリアに物資を渡している男だ。
彼は人間の子どもたちの惨状に目を瞠り、私を認めては即座に私を殺そうとした。
フィリアたちと接しているから忘れかけていたが、やはりエルフは人間を敵として見なしているのだ。
しかも私は彼も知らないであろう蛇のような呪術の刻印が巻き付いている。
彼は不死身の私に恐怖し、無抵抗の私を不審に思ったようだが、攻撃の魔術を絶えず放ち続けていた。
結局、まだまだ怪我が癒えきっていないフィリアが彼を制した。
彼は手負いの彼女にたじろぎつつも、強い語調で人間が如何に野蛮で醜悪なのかを述べ、己の行為の正当性を訴えた。
その内容には真実も含まれていたが、虚偽も含まれていた。
耳長族たちは人間を毛嫌いしているが、人間についての知識はどうも充分ではないようだ。
尤も、それは人間も同様であるが。
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