過去ログ - 春香「いくつかの冴えたやりかた」
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2:purekyouju ◆LLlqMaS2Hg[saga]
2012/11/07(水) 20:46:19.65 ID:IeK9Hvin0
何を以て生きていると言えるのでしょう?
自分がどこにいるのか分かりますか?
3:purekyouju ◆LLlqMaS2Hg[saga]
2012/11/07(水) 20:49:58.63 ID:IeK9Hvin0
物語が始まるのに、夜は適さない。
暗い色が、さっきまで精一杯の彩度を見せた夕暮れに幕を引いてゆくからだ。
4:purekyouju ◆LLlqMaS2Hg[saga]
2012/11/07(水) 20:53:18.27 ID:IeK9Hvin0
「今日もお疲れ様。
綺麗に音もとれてたと思うし、いつもの通り良くできてたんじゃないか?」
「そうですか、ありがとうございます」
5:purekyouju ◆LLlqMaS2Hg[saga]
2012/11/07(水) 20:56:40.41 ID:IeK9Hvin0
「千早、手ぇ冷たいなあ!」
そう言うと、彼女はなぜか逡巡してから少し困った様子で返事をする。
6:purekyouju ◆LLlqMaS2Hg[saga]
2012/11/07(水) 20:59:31.29 ID:IeK9Hvin0
「明日はオフですし、今日はみっちりレッスンしないといけませんよ」
「ん、そうだな。また明後日」
7:purekyouju ◆LLlqMaS2Hg[saga]
2012/11/07(水) 21:03:13.66 ID:IeK9Hvin0
それについては今まであまり気にしてはこなかったのだが。
明後日、彼女が事務所に来たら訊いてみようと、
ぼんやりと浮かんだ思考を折りたたんで仕舞い、
8:purekyouju ◆LLlqMaS2Hg[saga]
2012/11/07(水) 21:06:25.19 ID:IeK9Hvin0
「あ、私の分もお願いします」
「あれ、音無さん、いたんですか」
9:purekyouju ◆LLlqMaS2Hg[saga]
2012/11/07(水) 21:10:28.35 ID:IeK9Hvin0
――
休日の朝目覚めた時ほど憂鬱な瞬間はない。
10:purekyouju ◆LLlqMaS2Hg[saga]
2012/11/07(水) 21:14:08.96 ID:IeK9Hvin0
「……」
彼女は物言わず、左目の涙の伝う頬を、そっと撫でた。
11:purekyouju ◆LLlqMaS2Hg[saga]
2012/11/07(水) 21:18:40.90 ID:IeK9Hvin0
おもむろに目の前の引出しに手をかける。
鍵がかかっていた。
12:purekyouju ◆LLlqMaS2Hg[saga]
2012/11/07(水) 21:23:04.96 ID:IeK9Hvin0
「……」
ガチャリ、と意外に大きな音がして、スライドをする。
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