過去ログ - 春香「いくつかの冴えたやりかた」
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4:purekyouju ◆LLlqMaS2Hg[saga]
2012/11/07(水) 20:53:18.27 ID:IeK9Hvin0
  
 「今日もお疲れ様。 
 綺麗に音もとれてたと思うし、いつもの通り良くできてたんじゃないか?」 
  
 「そうですか、ありがとうございます」 
5:purekyouju ◆LLlqMaS2Hg[saga]
2012/11/07(水) 20:56:40.41 ID:IeK9Hvin0
  
 「千早、手ぇ冷たいなあ!」 
  
 そう言うと、彼女はなぜか逡巡してから少し困った様子で返事をする。 
  
6:purekyouju ◆LLlqMaS2Hg[saga]
2012/11/07(水) 20:59:31.29 ID:IeK9Hvin0
  
 「明日はオフですし、今日はみっちりレッスンしないといけませんよ」 
  
 「ん、そうだな。また明後日」 
  
7:purekyouju ◆LLlqMaS2Hg[saga]
2012/11/07(水) 21:03:13.66 ID:IeK9Hvin0
  
 それについては今まであまり気にしてはこなかったのだが。 
  
 明後日、彼女が事務所に来たら訊いてみようと、 
 ぼんやりと浮かんだ思考を折りたたんで仕舞い、 
8:purekyouju ◆LLlqMaS2Hg[saga]
2012/11/07(水) 21:06:25.19 ID:IeK9Hvin0
  
 「あ、私の分もお願いします」 
  
 「あれ、音無さん、いたんですか」 
  
9:purekyouju ◆LLlqMaS2Hg[saga]
2012/11/07(水) 21:10:28.35 ID:IeK9Hvin0
  
 ―― 
  
 休日の朝目覚めた時ほど憂鬱な瞬間はない。 
  
10:purekyouju ◆LLlqMaS2Hg[saga]
2012/11/07(水) 21:14:08.96 ID:IeK9Hvin0
  
 「……」 
  
 彼女は物言わず、左目の涙の伝う頬を、そっと撫でた。 
  
11:purekyouju ◆LLlqMaS2Hg[saga]
2012/11/07(水) 21:18:40.90 ID:IeK9Hvin0
  
 おもむろに目の前の引出しに手をかける。 
  
 鍵がかかっていた。 
  
12:purekyouju ◆LLlqMaS2Hg[saga]
2012/11/07(水) 21:23:04.96 ID:IeK9Hvin0
  
 「……」 
  
 ガチャリ、と意外に大きな音がして、スライドをする。 
  
13:purekyouju ◆LLlqMaS2Hg[saga]
2012/11/07(水) 21:27:05.33 ID:IeK9Hvin0
  
 ―― 
  
 「私は真美。もうひとりのあなた」 
  
14:purekyouju ◆LLlqMaS2Hg[saga]
2012/11/07(水) 21:31:25.39 ID:IeK9Hvin0
  
 「真美はね、ホントは亜美なんだよ」 
  
 「どうしたのさ、何のこといってるの?」 
  
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