48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/11/21(水) 00:42:29.33 ID:v2L/FT2DO
…………………………
男「行ったか?」
少女「ですね」
医者の足音が聞こえなくなったのを確認して、二人はおそるおそるベッドの下から這い出た。
少女「ふう、見つからなくて良かったですね」
男「うん。でも、電気を落とされちゃったか。
また点けるとおかしく思われるし、暗いまま女さんのジェスチャーを読み解くしかないな」
幸い、ここは市内中央。
夜で、しかもそれなりの敷地に囲まれて外界と隔絶された病院とはいえ、薄いカーテン一枚では防ぎきれない程度に外は光の喧騒に溢れている。
男は窓枠から差し込んでくる光でうっすらと青白くなった部屋を見渡しながら、幽霊ゆえに医者の目を憚ることもなく一人立ち続けていた女の方へと顔を向ける。
女「……」
女は男の視線を感情の消えた顔で受けながら、しかしさっきまでと同じように、お婆さんと自分の胸を指先で行き来させて見せるだけだった。
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