7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/11/10(土) 15:17:50.64 ID:U8IIs9aDO
二日前の夜。
女は塾の帰りに水路へと転落した。
不運だったのはそこが人通りの少ない場所だったということ。
帰りの遅い事に不安になった両親が女をやっと見つけた時、女はすでに冷たくなっていたという。
男「……ちっ」
男は舌打ちして、女の席から再び目を逸らす。
妙に苛立たしかった。
別に、女の事が特別好きだったという訳ではない。
ただ、今にして生前の女を思い出してみようとすると、頭に浮かんでくる女はその顔に笑みを、本当に素敵な、今にもこぼれ落ちそうになるほどの素敵な笑みを顔に湛えていた。
そんな人間が、そんな表情を他人に向けることの出来る人間が、こうも理不尽に命を奪われる事に男は憤りを感じていた。
男「……どうにもなんねーけど」
だからといって終わった事態が好転するわけもない。
男は机に顔を伏せ、周囲でひそひそと上がる『話題』を聞かないように両腕で頭を左右から囲い、そして──
少女「ひどいです〜っ!」
男「ぶべらっ!?」
隣から思い切り体当たりをかまされた。
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