過去ログ - もし一方通行の精神が脆弱だったら
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383:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga ]
2012/12/26(水) 05:02:40.32 ID:8/flNvtVo



一方「僕も疑問に思って聞いたことがあるんです」

一方「ラットを使った実験の時のことです。子供だった僕はその実験の目的も知らなくて、
そして子供故に、動物を殺すことに抵抗があったんですよね。その時に、僕は実験を反対
したんです」

削板「おお、それで?」

一方「いつも僕がだだをこねると怒られちゃうんですけど、その時は本当にやりたくなく
て、殴られてもいいやって思ったんです」

削板「……」

一方「それでくるだろう攻撃に身を固めていたら……先生はこう言ったんです」


一方「『お前がここで頑張ることで、科学が進歩し、未来が大きく変わるのかもしれねぇぞ。
時代の先駆者や革新者はいつもその時代の価値観によって裁かれちまう。それが後世にと
ってどんな結果をもたらすかもわからねえのにな。お前は今目の前の罪に捕らわれている
が、未来の人類のためを思うなら、やってみるべきじゃあねえか?お前が時代を変えるん
だ。お前の力が、世界を変える……俺達で世界を変えるんだぜ?それって凄くおもしろく
ねぇか?素晴らしいことだろぉよ、なあ?』」

削板「………………………………………」

一方「……僕だって、木原先生がどういう人なのかはわかっています。ただ、木原先生は
この世界を僕らとは違う角度で見ているのかもしれません。先生は時折こういうことを言
うから、僕は先生を悪く思えないんです」

削板「……お前も、そいつと同じ考え方なのか?」

一方「僕は、先生のようには思いませんし、わかることもないと思います」

削板「…じゃあよ、お前に人殺しをさせるような人間が、お前を大切にしない人間が、お
前に真摯な言葉を向けるか?その言葉は、その思いは真実だったのか?」

一方「……わかりません。先生はいつも僕を殴っていましたが、悪意を感じたことはない
んです。僕は、先生の感情を読めた試しがありません。もしかしたら僕を納得させる虚言
なのかもしれないし、本当にそう思っているのかもしれません。僕には、判断がつかない」

削板「……」

一方「そして僕が先生を嫌いになれない一番の理由は――」





「僕を、認めてくれたことなんです」









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