過去ログ - 【咲安価】久「麻雀とかを?」京太郎「ええ、教えてください」 五局目【解説?】
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894: ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2012/12/03(月) 23:25:08.36 ID:fDo94VFjo

 立ち上がろうと思ったのはいいが。

 空腹と、脚の痛みで芋虫のように寝ころぶ事にしかならなかった。

 よく見れば親指のあたりに血豆ができていて。

 足の裏も腫れあがり、所々鬱血していた。

 それを見て改めて――自分はとんでもない事をやらかしたんだな、と思い至り。

 速やかに家族に連絡を取ろうと考え。

 それから、ますます身の危険を感じた。


 こんな状態で襲われたら、逃げられない。間違いなく。

 ケンドーコ○ヤシのような体系の男に伸し掛かられたら終わりである。命は散らさなかったが、菊を散らしてしまう。

 本当に御免だ。それで殺されて山に捨てられたら、なんというか最低すぎる。

 何か武器になるものを探す――が、見当たらない。

 頼りになるのは二つの拳だが、踏ん張れないのではどうにもならない。

 おとなしく従うフリをして、食いちぎってやろうか。多分それしかない。

 その前にキスでも迫られたらどうしようか。ああ、舌を食いちぎってやればいいか。

 やろうと思えば、喉笛を攻撃してもいい。目を潰してやってもいい。

 うん、大丈夫だ。死ぬ気になればなんでもできる。多分。

 いや、でもやっぱりごめんなさい。嫌です。できれば避けてくださいお願いします。

 まだヤクザに保護された方がマシである。


 とびっきりの美人が弟にそっくりだから拾ったとか。

 婚期を逃したアラフォーが助けてくれたとか。

 未亡人が夫に似ているから保護したとか。

 老齢の夫人が孫の代わりに……とか。

 どうかそんな都合のいい奇跡でも起きてくれないかな、と願った。

 我ながら気の余裕が生まれたものである。相変わらず腹は減っているが。


「あ、目が覚めたの!?」


 そして襖が開くと同時に現れる赤みがかった黒髪の美少女。

 神様ありがとう。生きててよかった。

 思わず聞いていた。弟とか死んだ恋人とか居ますか――と。


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