過去ログ - 【咲安価】久「麻雀とかを?」京太郎「ええ、教えてください」 五局目【解説?】
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899: ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2012/12/04(火) 00:06:32.77 ID:RQk8Xi91o

 まだ立てるほどの力はないので、肩を貸して貰って電話の元まで向かう。

 目の下で動くおもち。スライムが不思議な踊りを踊っている。

 自力で立ち上がるほどの力は足にはないが、下半身への効果は抜群だ。

 頬を、彼女の髪が掠める。何ともむず痒い。

 右側だけ、留められて房になった髪の毛。シャンプーの香りがする。いや、それだけではない。

 なんというか女子は、どうしてこういい匂いがするのだろうか。心が落ち着くが、興奮する。


 ひょこひょこと、足を踏み出すたびに、担がれた左手が彼女の胸に触れる。

 もう少し。もう少しで。

 力をちょっと込めれば触れそうであるが、流石に恩人に対してそんな事はできない。

 とんだ鬼畜となってしまうし、心苦しい。

 ああでもなんというか。

 死ぬほどの経験をしたためか、こう、体が無性に滾る。

 途中から歩きづらくなったのを足の痛みと勘違いしたためか、こちらを見上げながら慮る少女。

 顔を近づけたらキスできるな……と考えてしまう浅ましい自分に自己嫌悪を覚えつつ、

 思ったより睫毛が長いなとか、肌が白くてかわいいなとか、その顎を捕まえてみたいとか、目を閉じてくれないかなとか、距離近いなとか。

 そんな、健全だが場にそぐわない不完全な感想を、消せずにいた。


 どうせならここで足をもつらせてラッキーなスケベとか起きてくれないかな。

 なんて思ったが、起きるはずもなかった。畜生。

 でもまあ、起きなくてよかったとも思う。

 ここで痴漢呼ばわりか強姦魔呼ばわりして放り出されたらいよいよ以って行き場所もないという、

 それどころか警察でも呼ばれでもされたら本当に立つ瀬がないという自己保身もあるし。

 それ以上に、こんな親切な人を己の身体と欲望の下敷きにするというのは躊躇われるのだ。

 結局望んだようなそんな場面に臨む事なく。電話機まで行き着いた。


「あー、はい。俺です、はい。俺です」


 申し訳ありませんと。ご迷惑をおかけしましたと。心配かけてすみませんと。

 受話器越しに、ひたすら謝る。

 捜索願はまだ出されていないそうだが――ただの家出があると警察にも断られたようだ――みんな、心配しているらしい。

 当然だろう。本当に、多大な迷惑をかけてしまった。


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