過去ログ - ハクオロ「最後の希望、『ガメラ』……」
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[saga]
2012/11/23(金) 22:00:06.54 ID:XFCiEs0IO
…………
ミュマ「あの……何故わざわざ私のような……」
ウルトリィ「恐怖に震えるお客様を、夜分に起こすわけにはいきませんから」
あの衛士は、今もこの國に滞在している。
明日の調査に、ミュマは彼も同行させる予定だったが──
ウルトリィ「彼はもう少し休ませてあげて下さい」
ミュマ「……はい」
皇からの命令であれば、従わないわけにはいかない。
ウルトリィは元々医学士を志望していた才女である。
人の精神分野についても、他の僧侶や学士達以上に知識を持っていた。
──恐怖は、人を蝕む。
少し前まで、ウルトリィは過去の記憶が無いという恐怖を抱えた男の側にいた。
そんな人間に必要なのは、『暖かさ』。
ウルトリィ「心を癒す医学士の皆様を、彼の治療にあたらせています」
カミュ「そんな事しなくても、お姉様がギュッってしたら治るかもよ?」
……治りそうだから困る。ミュマはウルトリィの……を見て思う。
ウルトリィ「ミュマさん、調査は明日じゃないといけませんか?」
ミュマ「……できれば早い方が」
ウルトリィ「……明後日まで、待って頂きたいのです」
ミュマ「……何故でしょうか?」
ウルトリィ「その鳥が、キママゥや家畜を襲うなら……」
「『人』も襲う可能性があるのではないですか?」
ミュマ「……はい」
冷静になって考えると、ウルトリィの言う通り。
調査に行った者が襲われ、調査される対象になる──
その危険をミュマは頭の片隅に放置していたのだ。
ウルトリィ「明日、準備を整え、調査隊を結成します」
「そして、明後日にわたくしの『知人』と合流後、出発して下さい」
ミュマ「ウルトリィ様の……『知人』ですか?」
カミュ「あ! そういえばあの『二人』が近くに来てるんだっけ」
ウルトリィ「わたくしの古い友達です。実力は保証しますよ」
ウルトリィは二人の事を思い出す。
『ギリヤギナ』の女と『エヴェンクルガ』の女。『力と技』の強き者達を──
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