過去ログ - 【咲】京太郎「なにをしよう」【安価】
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112: ◆IGEMrmvKLI[saga]
2012/12/12(水) 00:46:03.35 ID:Cl8Wn9eAO






 遠ざかっていく足音。それが聞こえなくなってから扉を閉めた。
 部室の中には、私と彼だけ。二人っきりの空間。

 カチャリと鍵を閉め、彼の前にできた空席へと向かう。
 そこには、私の尊敬している先輩、宮永照が座っていた。

 未だにうなだれた様子の彼を気にすることなく、椅子へ腰を下ろす。椅子はほんのりと暖かかった。


「まったく、ある意味すごいタイミングで入ってきたな」

 私の顔を見ることもなく呟かれた。
 気に入らない。


「知らないわよ、そんなの」


 視線をテーブルに向けると、青い箱が置かれていた。


 この箱を見るのも何度目だろう。十回を超えてから面倒で数えなくなったが、彼とテルが一緒にいる時は必ずここに鎮座していた気がする。



「まだ続けてたの」


 彼は力なく頷いた。


「いろいろと工夫はしてはいるんだが、なかなかうまくいかなくてな」


「もう、面倒だから形がなくなるまで刻んじゃえばいいじゃん」

「それだと、克服したことにはならないだろ」


 そう言って彼は箸を手にすると、箱の中からひとつ取り出し、そのまま口の中に入れた。シャキシャキという音がこちらまで聞こえてくる。







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