過去ログ - 【咲】京太郎「なにをしよう」【安価】
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130: ◆IGEMrmvKLI[saga]
2013/01/03(木) 00:03:00.35 ID:7rN5UklAO


 降り始めた雨足は、思っていたより早く強まり、私が靴を履き替える時にはグラウンドにはいくつもの水たまりが出来ていた。


「天気予報で、今日は晴れてるって言ってたのに……」


 家を出る時も、雲がない青空だった。
 だから、傘立てにあった自分の傘を手にせずそのまま姉の後を追い学校へ来たのだけど……。


「普段から折り畳み傘を持っとくんだった」


 この土砂降りの雨の中を、何も持たないで出れば、ものの数秒でずぶ濡れになってしまう。

 今、鞄の中には借りてきた本がある為、それだけは避けたかった。


「しょうがない、雨が弱まるまで待ってよう」


 雨が弱くなれば、最悪、鞄を庇うように抱えながら走れば濡れる心配はしないですむかもしれない。




 それに、時間をつぶす間に本を読むこともできる。

 我ながら冴えていると、ひとり頷き、早速下駄箱に軽く背を預けながら、鞄から本を取り出した。

 雨の音を聞きながらページをめくっていくのもなかなか風情のあるものだと、自画自賛しながら、けれど、それも直ぐに頭の隅に追いやってしまうほど、私は本に没頭し始めた。







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