17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/11/20(火) 03:15:44.86 ID:5RXrfIEi0
書き出されている『人間』
それは男だった。
眼鏡を掛けた穏やかそうな印象の顔立ちから首、肩が現れる。
会社員なのかきっちりとしたスーツを着ている。空中に書き出される男の身体が胸まで現れた辺りで、新たにもう一本のレーザーが黒い玉から放たれた。
今度現れた男は眼鏡を掛けていないが、眼鏡の男と同じスーツを着ている。
二人目が現れたところで真は筑川に声を掛けた。
「筑川さん、これは一体……」
「わからない……けどキミ達もさっきああやってこの部屋に現れたんだ」
(ぼ、僕達もこうやってここに!?)
驚いていると、レーザーから書き出された二人の身体はすでに足先まで現れていた。
ジジジジッ………
書き出しが終わると、眼鏡をかけた男の足先からレーザーは消え、一拍遅れて後から来た男からもレーザーは消えた。
二人とも見た目は若く、同じ藍色のスーツを着ており、見る限り同じ会社に勤めているようだった。
背にはバックパックを背負っており、そしてどういうわけか二人してどこか頼りなさげな雰囲気を醸し出している。
静まり返った部屋の中で、現れた若いサラリーマン二人は特に驚いた様子もなく、部屋にいた人々を順々に眺めた。
そして、脇で呆然としていた真とやよいに視線が行った途端、あからさまに目を丸くした。
「あれ?菊地真と高槻やよい……?」
「すごいな……売れっ子のアイドルが来るだなんて」
余りに非現実的な光景だったがために、真もやよいも今度ばかりは反応ができなかった。
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