53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/11/25(日) 12:12:06.64 ID:sDZPiapL0
そこで「お待たせしてすいませーん」と赤羽根の掛け声が聞こえてきた。
「みなさんちょっと集まって下さい」
手招きをされ、松本と筑川、真とやよいが赤羽根と祐喜を囲む。
例によって倉田と尾形は少し離れたところから赤羽根達を眺めていた。
そしてあの少年は少年で、近くの家のブロック塀に寄っ掛かってるだけで赤羽根達のことは完全に無視しているようだ。
(あの人、いいのかな?説明聞かなくて……)
もしかしたらあの少年も尾形や倉田のように番組側が仕込んだ『助っ人』なのかもしれない。しかし仕込んでいるという割には赤羽根達には何も触れられてないし、かと言ってあの露骨な態度は明らかに番組の関係者であることの証拠だろう。
(うーん、分かんないなぁ……)
色々と考えていると唐突に祐喜が真達の前に右手を差し出してきた。
「こいつを見て下さい」
そう言って差し出された祐喜の手には、リモコンのような細長い形の機械が握られており、その中央にはモニターが付いていた。
表示されているのは、どうやらこの辺りの地図のようだ。
地図には四角で囲まれた丸のマークが複数表示されている。
「地図に表示されているこの点、これが星人達のいる場所を示しています」
マークを指差しながら祐喜が説明する。
そしてなにやらリモコンをかちかちと操作して、地図の縮尺を先ほどよりもいくらか大きなものにした。
すると地図上には正方形の線が引かれていた。
「そしてこの枠線、この約一キロ四方の枠線から出るとミッション放棄と見なされて失格になります。
くれぐれもここから出ないよう、注意して下さい」
さらにリモコンをかちかちと操作すると今度はデジタル時計のような数字が表示された。
(あっ……これ)
見たところ、真が部屋から送られて来る前に見た、黒い玉のデジタル時計と同じもののようだ。
あれから更に一分程経っている。
「これはこのミッションの制限時間です。残り時間は58分……約一時間ですね。
この制限時間内に多くの星人を倒して下さい」
と祐喜。
説明は足早に続く。
「それと武器の説明をします。皆さんが今持っている銃はトリガーが二つ付いています」
言われて銃を覗くと、引き金が上下二つに別れていた。
「上のトリガーが相手のロックオン用。下のトリガーで攻撃ができます。上下のトリガーを同時に引かないと攻撃はできませんので、注意して下さいね。
それと照準は、拳銃は後ろに付いているモニターで、長銃はアームの先に付いているスコープでそれぞれ確認できます」
円筒形のボディにグリップを付けたような奇怪な形をしている銃。
祐喜の言ったモニターはグリップの上に付いていた。
長銃の方は、銃身から飛び出るように伸びたアームの先に長方形の小さなモニターが付いている。
「……これからは自由行動です。ただしエリアからは絶対に出ないようにお願いします」
赤羽根はそう言うと持っていたショットガンのような形状をした銃を両手で持ち直した。
「では、これより異星人の駆逐に行って来て下さい。
時間が無いので急いで下さいね。それではお気を付けて」
「お気をつけてって……あなた達は?」
筑川がやや不安そうに聞くと、赤羽根と祐喜は不敵な笑みを浮かべた。
「ここから先はあなた方のみで行動してもらいます」
「なんて言ったってプレイヤーはあなた方なんですから」
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