過去ログ - 【咲‐Saki‐】京太郎「俺がギャルゲ主人公？」冷やし透華「その９」透華「…連荘？」 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲‐Saki‐】京太郎「俺がギャルゲ主人公？」冷やし透華「その９」透華「…連荘？」

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291: ◆wd7fjK8vaE[saga]
2012/12/01(土) 22:36:27.72 ID:nw8oMb3a0
…………貴子と靖子の大人げない戦いが終わった後の宿泊部屋。

台風でも通り過ぎたように荒れ果てた部屋の中央、互いの頬へ拳をめり込ませ、ダブルノックアウトの形で倒れ伏した貴子と靖子から、窓の外へと目を向ける。

京太郎「…………大人って大変なんだなぁ」

主に、世界を狙える拳を持ちながら、麻雀で生きる人生を選ぶ辺りが。

ハギヨシ「その大変さを楽しんでこその大人です」

京太郎「…………俺には当分、無理そうですね」

ハギヨシの言葉に苦笑しながらかぶりを振る。

貴子に剥ぎ取られていた浴衣を着直して、今も畳の上で目を回している『大人』二人を放置して部屋を出て…………

透華「む」

京太郎「あ」

透華「昨夜はどこにいましたの京太郎！私、心配しまし………………そこ、風越のコーチさんと藤田プロの部屋ですけど」

出会い頭、パッと華やいだ透華の顔が、倍速で枯れ逝く様を映された花のように、暗い負の色に染まっていく。

凍華「どうして京太郎が、こんな時間に女性の宿泊部屋から出てきたのか、説明を要求いたします」

京太郎「待ってください、話せば……はっは、話せばわかりあえます……つーか、力強いですねっ、冷たい方の透華さんって！？」

浴衣の肩口を掴まれ、軽々と壁に押さえつけられながら説得を試みる。

冷透華「本当ですか？もし、私が納得いかない場合は…………いえ、今言うべきではありませんわね」

京太郎「変な含みを持たせて中断しないでほしいんだけど……」

冷透華「心配は無用ですわ。不義理と判断さえされなければ……ですが」

京太郎「万が一、不義理と判断されちゃったらどーなるんでしょうか俺……」

冷透華「そ、それは……」

恐る恐る尋ねた京太郎への返答は、恥ずかしそうに背けられた透華の横顔。

『立直をかけられそうになっている』……頭ではなく、本能がそれを悟る。

京太郎(何でかハギヨシさんは助けにきてくれないし……助けてー、誰かー)

いや、それも仕方のないことなのかもしれない。

基本的に彼は、年上の友人の前に龍門渕透華という少女の執事であるのだから。

透華「京太郎は……いけずです」

京太郎「うぐぅ……」

……当分、自分は大人になれそうにない。

この状況で、放銃しないためのオリを考えるチキンさがその証拠そう。

心の底から京太郎はそう思う。

どうせ和了するなら自分が…………といっても、誰からどんな役で和了るのか……。

まだロクにビジョンを持っていない少年の苦難は………………続けさせるべきか否か。

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