過去ログ - 垣根「君が教えてくれた花の名前は――」
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26: ◆1yXtrQq8OHOj[saga]
2012/11/21(水) 01:24:07.08 ID:uvc+WRweo

〜〜〜

「うっわ、なにこれ?どうしたの?」

垣根の部屋に勝手に上がり込んだ少女が驚きの声を上げる。

「……うるせぇ」

「あら?一人?」

「うるせぇ……」

「ま、いいわ。依頼は?」

散らばったガラス片を踏まないように注意しながら垣根の座るソファへ向かう。

「もう死んでた。金が入るかは微妙だ」

「……何かあった?」

「……ねぇよ。あったとしてもお前には関係ない。あと俺今日そういう気分じゃないからそれが目的なら帰れ」

隣に座った少女を見向きもせずに、垣根は暗い声で言った。

「イヤよ、こんなあなたを放っておけるわけないじゃない。ご飯は?何か作るわよ?」

「……食ってない」

「じゃあ、適当に作るわ。ガラス片付けておきなさい」

ため息混じりにそうつぶやくと、垣根は素直に頷いた。
そんな垣根の頭を少女は軽く撫でる。

「なんで?」

「何がよ?」

「今日は、やけに優しいじゃん?」

「……失礼ね、私はいつだって優しいわよ?」

そうか、とつぶやくと垣根は少女にもたれかかった。

「あなたこそ、今日は随分甘えん坊よ?」

「もう、なんか嫌になった」

助けたと思った大好きな人が、自分と同じ暗黒の世界に堕ちていた。
その事があまりにも大きく、そして辛かった。
自分の無力さを突きつけられているようで……。
自分の小ささをみているようで……。

捨てたはずの弱さが、隠しただけだったと思い知らされるようで……。


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