過去ログ - 垣根「君が教えてくれた花の名前は――」
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880: ◆1yXtrQq8OHOj[saga]
2013/05/11(土) 01:36:15.23 ID:9NDF7YG8o

〜〜〜

じゃあ、私は研究所に戻るわね。

芳川がそう言い残し、病室にはミサカと一方通行だけが残された。
ふたりはしばらく黙り込み、室内は奇妙な緊張感に包まれた。

「……お前を撃った奴だが……俺は……」

唐突に、一方通行が口を開いた。

「……初めて、人をぶっ殺したいと思っちまった」

誰も傷つけたくないが故に、孤独を背負った男は、初めて自らの意思で「人を傷つける」ことを考えた。

「大切な人が傷つけられるって事の意味を初めて知った。
俺は、親の記憶なンか無い。友達もいねェ。
芳川は友達って感じじゃねェしな……」

ポツリポツリと言葉を落とす。

「この感情は……苦しい。
俺は……絹旗どもに、こンな苦しい思いをさせてたのかってやっと言葉や知識じゃなくて心で分かった」

ぐしゃっと髪をかきあげる。


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