過去ログ - 垣根「君が教えてくれた花の名前は――」
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925: ◆1yXtrQq8OHOj[saga]
2013/05/19(日) 21:08:32.67 ID:sCni4cj5o

「あ、じゃあこれなんかどうですか?
消えた研究所って都市伝説なんですけど……」

佐天が話している間に、初春は御坂が興味を持ちそうなものをピックアップしていた。
意外と御坂はお転婆な子という印象が初春には強かったのだろう。
選ばれていたものは実際に現場に向かう事が出来そうなものばかりであった。
ひとつ付け加えておくと“意外”というのは、
普段白井から美化されすぎた御坂の事を聞いていたからでた感想である。
絹旗などからしてみれば、意外でもなんでもなく、
むしろお嬢様な御坂など想像しただけで笑うだろう。
そして、御坂の名誉のためにさらにもうひとつ言わせてもらうと、
そういう振る舞いが必要な場面では御坂はしっかりとお嬢様をやる人間だ。
その事はわかっていただきたい。

「お、面白そう!他には他には?」

御坂はノリノリで、パソコンの前に座る初春の肩に手をかけた。

「……ちょっと、お姉様?
近すぎやしませんの?」

二人のその距離に、白井が嫉妬する。

「あ、ごめん。初春さん、嫌だった?」

「え?いや、私は別に」

そういう事ではないだろう、とこの場にいる御坂以外の全員が思っていたが、御坂は気づかない。
変なところで鈍いところのある普通の女の子がそこにはいた。

「なら、良かった!」

そう笑う御坂を眺めながら、佐天は白井の肩に手を置く。
励ましているようにも、憐れんでいるようにも見えた。



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