過去ログ - 垣根「君が教えてくれた花の名前は――」
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984: ◆1yXtrQq8OHOj[saga]
2013/06/26(水) 00:51:03.62 ID:cLJOi0dEo

――私は、暗部組織の絹旗最愛です。

――だから、私は強い。

――私は、自分すらも信じていない。

――私は、ただ生きることが目的。

――だから。

――私は。

――誰も愛さないし、愛されない。

暗部の人間であろうとする絹旗。
本心が隠せない自分。

どこまでも暗部組織の人間であろうとする絹旗最愛。

希望なんてものがまだあるとどこかで信じている自分。

生きることだけを目的とした学園都市レベル4窒素装甲の絹旗最愛。

誰かを救いたい誰かと笑いたいと願ってしまった自分。

――失うものは少ない方がいい。私は何も失っていない。お金はあるし、生きていく術も身につけました。人を殺すだけの簡単な人生です。

「ていとく、は?」

――あんなの、もともと私のものじゃない。私はあれを鬱陶しいと思っていたはずですよ?

「お父さん、とお母、さんは?」

――あれは、失ったんじゃない。捨てたんです。いらないから。捨てた。

「……」

――今ならまだ間に合いますよ?私とひとつになりましょう?そうすれば……私たちは一人で笑って生きていける。

「一人、で……笑って……?」

それはとても魅力的に思えた。

大切だから失うと痛い。

だったら、初めから何も持たなければいい。

大切なものを両手からあふれるほど手に入れてしまった絹旗には、耐えられない孤独だが、魅惑的に輝いた。

「私、は……」

頷きかけた瞬間――


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