過去ログ - 垣根「君が教えてくれた花の名前は――」
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◆1yXtrQq8OHOj
[saga]
2013/06/26(水) 00:51:03.62 ID:cLJOi0dEo
――私は、暗部組織の絹旗最愛です。
――だから、私は強い。
――私は、自分すらも信じていない。
――私は、ただ生きることが目的。
――だから。
――私は。
――誰も愛さないし、愛されない。
暗部の人間であろうとする絹旗。
本心が隠せない自分。
どこまでも暗部組織の人間であろうとする絹旗最愛。
希望なんてものがまだあるとどこかで信じている自分。
生きることだけを目的とした学園都市レベル4窒素装甲の絹旗最愛。
誰かを救いたい誰かと笑いたいと願ってしまった自分。
――失うものは少ない方がいい。私は何も失っていない。お金はあるし、生きていく術も身につけました。人を殺すだけの簡単な人生です。
「ていとく、は?」
――あんなの、もともと私のものじゃない。私はあれを鬱陶しいと思っていたはずですよ?
「お父さん、とお母、さんは?」
――あれは、失ったんじゃない。捨てたんです。いらないから。捨てた。
「……」
――今ならまだ間に合いますよ?私とひとつになりましょう?そうすれば……私たちは一人で笑って生きていける。
「一人、で……笑って……?」
それはとても魅力的に思えた。
大切だから失うと痛い。
だったら、初めから何も持たなければいい。
大切なものを両手からあふれるほど手に入れてしまった絹旗には、耐えられない孤独だが、魅惑的に輝いた。
「私、は……」
頷きかけた瞬間――
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